ダナンのIT産業が急成長した理由と今後の課題

1. ダナンのIT産業が急成長した理由

ますます発展するベトナムのIT業界の中で、ダナンは特に注目を集めています。ひと昔前、日本企業によるダナンへの投資は、製造・加工業が中心でした。しかし、10年程前からソフト開発や設計などのIT分野への投資が目立つようになり、2018年には投資件数の25%がIT分野という状況になりました。このようにダナンのIT産業が注目を浴びるようになった理由は何でしょうか?理由は3つあります。

Danang IT BAP

1-1.人件費が安い

ダナンのIT産業が急成長した大きな理由は人件費の安さです。ベトナムはASEAN諸国の中でも人件費が安い国です。ダナンはホーチミン、ハノイに次ぐ第3の都市ですが、その人件費は20%以上も安いと言われています。

賃金(月額)ハノイホーチミンダナン
法定最低賃金156156138
ワーカー(一般工職)181193158
エンジニア(中堅技術者)346349226

単位USD/月(JETRO 2016)

さらに、ダナンのIT業界の離職率はわずか8%であり、ハノイやホーチミンが20%であるのに比べて非常に低くなっています。このように、人件費が安く離職率が低いダナンのIT産業はオフショア開発先として注目を集め、多くの日本企業がダナンへ進出しました。

1-2.国による優遇政策

2010年、ダナンはベトナム政府からIT特区に認定されました。海外のIT企業に対する優遇政策として、法人税免除、土地リース料免除などが適用されました。このように、国をあげて企業誘致に力を入れたことにより、多くの日本IT企業がダナンへ進出しました。

1-3.若く優秀な人材

若く優秀な人材が多いことも、ダナンのIT産業の成長に貢献しているでしょう。ダナン市には大学と短大が25校あります。その中で、工科大学、IT教育大学、IT短大などITを専攻とする学部・学科があります。また、IT分野だけではなく、オフショア開発に重要な日本語教育も充実しています。さらに、ベトナムではほとんどの大学でインターンシップが必須となっています。インターン先でIT企業を志望する学生も多いため、企業にとっては一緒に働いた経験のある学生を雇うことができるというメリットがあります。このように、ダナンはITと言語の両方で、若く優秀な人材が多いと言えるでしょう。

2. ダナンのIT産業 の課題

ますます発展しているダナンのIT産業ですが、いくつかの課題があります。1つ目は人件費が上がり続けていることです。現時点では、ダナンの人件費はホーチミンやハノイに比べて低いものの、ベトナム全体で毎年7%前後上昇しています。人件費が上がるとコストメリットは小さくなるため、開発先は人件費が安い他の国へと移されていくことが考えられます。現在、ダナンのIT産業といえばオフショア開発先としての受託ビジネスが主流です。しかし、これからも成長を続けていくには自らプロジェクトを企画し提案するスキルや、ビジネスパートナーとしての信頼性が重要となるでしょう。そのためには、IT人材のさらなる育成が必要です。

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